今回はスイスの旅ーⅠに続き、その後編となるスイスの旅ーⅡをお送りします。
スイス3日目には、スイス=マッターホルンと言われるほど有名なアルプスの名峰を満喫したわけですが、4日目以降の3日間はアルプスのパリと称されるほど優雅な街インターラーケンから、世界遺産の旧市街を擁するスイスの首都ベルン、そして最後にジュネーブを訪れました。
その3日間の体験をお伝えしたいと思います。
尚「スイスの旅ーⅠ」をご覧になっていない方は、こちらからどうぞ。
4日目:ヒトラーゆかりのアイガー北壁、インターラーケンへ
スイスの旅も後半に入り、その4日目はあの童話で有名なアンデルセンが、アルプスのパリと讃えたほどのエレガントな街インターラーケンを訪れました。
インターラーケンは、3つの山と2つの湖に囲まれた楽園のような素敵な町ではありますが、この3つの山の一つが「死の壁」と称されるアイガー北壁で、この山ではこれまでに70人以上の犠牲者を出しています。
このアイガー北壁は、戦前にヒトラーが国威をかけて登頂を奨励したことでも有名ですが、その長さ(高さ)は1,800mに及び、平地でも2km近い距離は早足でも30分かかるわけで、それが垂直に切り立った崖で、しかも4,000m級の山ですから天候急変に落石もありですから、いかに登頂が困難であるかがお分かりいただけると思います。
我々一般人にすれば「なぜそんな危険な山へ」と思いますが、登山家には登山家の理念というものがあるのでしょうね。
そんな恐ろしい山を擁しているインターラーケンではありますが、実際に足を踏み入れるとアンデルセンが言う通り、この世の楽園のようなところでしたね。
マッターホルンのような荘厳さとはまた違い、インターラーケンは雄大な山々を要した広々とした大空間という印象で、どちらかというと私はマッターホルンよりこのインターラーケンのほうが好きでしたね。
とにかく大自然の美しい景観ときれいな空気が私の汚れに汚れた心を浄化してくれるようでした。
空にはパラグライダーを楽しむ人、またあれは何という遊びなのか知りませんが、山から山へ500mほどロープが渡してあり、そこにぶら下がって下っていく遊びです。
実は私もやりたかったのですが、よく見るとおっさんは一人もいなかったのであきらめました。
またそこら中にヤギが放牧されており、奈良公園の鹿と一緒で人間を恐がりません。
鹿せんべいを持って来るのだったと後悔しました。
5日目:世界遺産:ベルンの旧市街へ
そしてその翌日の5日目は、世界遺産に登録されているベルンの旧市街を見学しました。
このベルンの街並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている私の地元奈良橿原市今井町にある古い町並に似ているように思いました。
スイスの欧風と純日本家屋の違いはありますが、ベルンを見て今井町を連想しましたね。
このあと、国際バレーコンクールが開催されることで有名なローザンヌに足を運びました。
川辺に熊を飼育している動物園やネスレのチョコレート工場、チーズ工房のあるグリュイエールなど、色々と観光しましたが、まあこのへんは日本の観光地と大差なかったですね。
それと言い遅れましたがスイスでの移動手段は息子のシトロエンでした。
この頃ヨーロッパでは日本とは違い、ダウンサイジングターボが主流で、このシトロエンも1,600ccでしたが、乗った感じは2,000cc以上の重厚さがあり快適でした。
アウトバーンも初めて経験しましたが(但し助手席ですが)、200km/Hで走っているのに、それを軽々と追い抜いていくクルマがあるのには驚きましたね。さすがアウトバーンです。
6日目:美しい湖の街、ジュネーブへ
そしていよいよスイス最後となる6日目に国際連合のあるジュネーブを訪れました。
ジュネーブの町はとにかくきれいな町で、その綺麗さを演出しているのはレマン湖だと感じましたね。
レマン湖は大きな湖で面積が580k㎡、琵琶湖が690k㎡なので、琵琶湖よりほんの少し小さい湖と言えばおおよそ想像できると思います。
ジュネーブはその南西に面した町で、国も美化を意識しているので日本の主要都市とそん色のない綺麗さでしたね。
ジュネーブでは最終日ということもあり、あまりあちこちには行かずレマン湖の周辺をゆっくりと散歩して過ごし、帰りにスーパーマーケットに寄ってアパートに戻ったのですが、そのスーパーマーケットでの店員の対応に面食らった一件が印象に残りました。
その一件とは、私が食材をかごに入れてレジに持っていくと、レジには20代と思われる女性の店員がいたので、店員の前のレジ台にかごを置くと、「ノーノ―!」と手を横に振り、一段低くなっている横の台を指さして、そっちに置けと手振りで指示してきたのです。
私はムッとして「店員なんだから自分でしろよ!」と言いたいところでしたが、悲しいかなそれを英訳できないし、それに外国でもめごとも困るので我慢してかごを移動しました。
ところがそれだけではありませんでした。
今度はかごの中のものを取って自分の前に置けと手振りで指示してきたんです。
さすがに私もとさかに来て怒鳴りつけようとした時、息子が後ろから私の腕を掴んで「お父さん、あかんあかん、ここは外国やで」と制止してきました。
息子が住んでいる国でもめごともまずいと思った私は、またしても思いとどまったのでした。
後で聞くところによると、ヨーロッパでは日本と違って客と店員は対等の立場というカルチャーらしく、店員のあの態度はそんなカルチャーからきていることを知らされたのでした。
まあそうかもしれないですが、私はやっぱり日本の「お客様は神様です」のほうがいいですね。
とまあそんなわけで その翌日日本に帰ってきたんですが、関空に降り立ったとたんムワァーという暑さで、湿気が 肌に絡みつくような不快さが襲ってきました。
それだけでいかにスイスの気候が過ごしやすかったかを理解した瞬間でした。
しかしです。それでも日本がいい!
まず食べ物。帰りの道中のサービスエリアでうどんを食べたのですが、まあその美味しかったこと!
つくづく自分が日本人であることを実感したとともに、日本人で良かったと思えた今回のスイス旅行でした。
番外:スイスのダークサイド
さて、そんなどこを見ても美しい国スイスでしたが、実はその表向きの綺麗な顔の裏側にはいささかダークな顔も併せ持っており、その一つが銀行で、詳細は省略しますが2022年には大規模な内部告発により黒い金と知りながら悪質顧客と取引している銀行が告発されています。
もう一つは兵器です。
意外と思われる方もおられるでしょうが、スイスはその割合こそ小さいですが軍需産業も存在しており、自国の防衛のみならず輸出もしています。
壮大な山々といくつもの湖に囲まれた美しい国スイスですが、一方でこのような一面も持っているのがスイスという国です。
しかしそれはどこの国にでも必ず存在すると思われることなので、殊更スイスをとやかく取り沙汰するようなことではないと思いますが、ただこの事実は頭の片隅に留めておくべきでしょう。
以上で2回に分けてお送りした「スイスの旅」を終わらせていただきます。
次回は日本国内全国の旅先についてご紹介したいと思います
最後までご覧いただきありがとうございました。
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