『タイタニック』実話を映画化!超大作だが秀作か愚作かを検証ー前編

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『タイタニック』実話を映画化!超大作だが秀作か愚作かを検証ー前編

超大作映画と絶賛された、巨匠ジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』ですが、何と一部の評論家の間では愚作との評価がされています。
これは一体どういうことなのかを掘り下げてみようと思います。

なぜ今から20年以上も前に上映された映画を取り上げたのかについては、今年2023年6月に沈没船タイタニック号探検ツアーの潜水艇『タイタン』が沈没(圧壊)するという海難事故が発生したことで、この映画を思い出したからです。

それに私は以前から映画『タイタニック』について少々思うところもあり、『タイタン』で亡くなった方には気の毒に思いますが、ちょうどこの事故をきっかけとして映画『タイタニック』に迫ってみようと思いました。

その前に、搭乗していた5人の方にお悔やみ申し上げたいと思います。


映画『タイタニック』は豪華客船『タイタニック号』が氷山に接触して船体に亀裂が入り、沈没に至るという海洋スペクタクル映画で、その沈没するシーンのCGを交えた特撮は実に見ごたえがあり、迫力満点の映画でした。

またこの『タイタニック号』の海難事故に、ジャック(レオナルド・ディカプリオ)とローズ(ケイト・ウィンスレット)の船内でのラブストーリーをうまく絡め、女性の感動を誘う演出も評価されていました。

このように『タイタニック』は極めて評価の高い映画でしたが、その一方で「面白くない」「いらいらする」などの悪評もけっこう目立っていました。

果たして『タイタニック』は秀作なのか、はたまた愚作なのかを究明してみたいと思いますが、かなり長くなってしまったので、前編と後編に分けてお送りしたいと思います。

映画『タイタニック』の概要

この映画が上映されたのが1997年と、もう25年も前の映画で大作でもあったことから、あらゆるメディアですでに紹介されていることと思いますので、ここではストーリーは割愛して映画の要点だけに留めておきたいと思います。

この海難事故が起きたのは1912年4月10日のことで、日本ではこの事故の3か月後に明治天皇が崩御され、大正に入る直前の時代になります。

そしてこの2年前、後々においてやっかいなイシューを残すことになる、日本が韓国を併合する日韓併合が成立した年でもあり、更にその29年後に太平洋戦争が勃発といった時代に起きた大海難事故がタイタニック号沈没事故でした。

タイタニック号は1500人以上の乗員乗客を乗せ、アメリカに向けてイギリスの港を出航しますが、その過程で氷山に接触して船体に亀裂が入り、沈没に至ったわけですが、映画ではこの海難事故に絡めてジャックとローズのラブストーリーを中心に、事故発生時のパニック状態における様々な人間模様も描いています。

船が浸水して船体が傾き始め、船客が逃げ惑う中にも係わらず演奏を続ける楽団員、逃げることをあきらめ船室内のベッドで抱き合って最後を迎えようとする老夫婦、船員の指示に従わず我先にボートに乗り移ろうとする船客など、様々な人間模様が再現されていました。

またこの映画では巨大客船が沈没するという大迫力を演出した特撮とその中でジャックとローズの実らないラブストーリーを巧みに織り交ぜていたことも大作と評価された所以でもありました。

そしてもう一つ、上流と下流階級の差別もクローズアップされていました。
例えば船室には1等~3等までランクが分かれており、3等の運賃が3万円前後であるのに対し、1等は何と3等の100倍以上の400万円前後であったそうです。

それだけの差がありますから当然その待遇も段違いで、1等客船の船室はデッキ付きの景色が良く見える部屋に豪華なドアや壁紙であったのに対し、3等客室は2段ベッドで窓も装飾も無い無機質な部屋でした。


そしてこの差別は船の遭難時にもそのまま適用されたのです。
タイタニック号には救命ボートが用意されていましたが、船客1500名全員の分まであるはずもなく、その優先順はもちろん1等船客からでした。

しかも2・3等船室は階下にあったため、それら船客の大半が船室に閉じ込められたまま船とともに海底に沈んだのです。

このように映画『タイタニック』では、巨大豪華客船タイタニック号が浸水してから沈没に至る大迫力シーンを中心に、ジャックとローズのラブストーリー、パニックにおける様々な人間模様に加え、身分差別も大きく取り入れた超大作映画で、極めて高い評価を受けていた映画でもありました。

映画『タイタニック』の悪評価

『タイタニック』がこれだけの大作でありながら、一方でなぜ愚作だなどの悪評があるのでしょうか。
ここでその一端を覗いてみたいと思います。

・時間が長すぎる
時間が長すぎて、だれてくるという意見がありました。

確かにこの映画は3時間近い上映時間でしたから、無理もないかもしれないですが、それは単に物理的に時間が長いだけがその原因ではないと思います。
少々長くても退屈する間もないほど熱中できる映画であれば、その長さはあまり気にならないのではと思いますね。
もっとも私は時間の長さはそれほど気にならなかったのですが。

・期待度が高いわりに面白くない
ちょっと抽象的で何がどう面白くなかったのかが分からないので何ともいえないですが、理由はともかくこのように感じている人がいることは無視できないと思います。

・男性にとってはつまらない
これも抽象的ですが、これはおそらくジャックとローズのラブストーリーのことを指しているのでしょうね。

・不倫の話だから嫌い
この評価をしているのはおそらく女性だと思いますが、これはうなずけます。
しかしローズの恋を問答無用で不倫の一言で断罪するのはちょっと可愛そうな気もします。

婚約中ですから確かに不倫には違いないですが、この婚約は本人が希望した婚姻ではなく、親から強制的に決められたものですから不倫と決めつけるのはどうかと思います。
サウンドオブサイレンスなどもこれと同じではないかと思いますがね。

誤解しないで下さいね。私は決してローズの肩を持っているのではありません。
それどころか私はこのラブストーリーには少々マイナスに感じていることがありますが、それは不倫とは別の意味です。それについてはまた後でお話します。

・男尊女卑・身分差別がひどい
これも確かですね。上流と下流の人種ではまるで待遇が違っていましたね。
しかしそれが映画が面白くない原因なんでしょうか。
ちょっと首を傾げたくなります。
ただし私は別の意味でこの身分差別に対しての見解がありますが、それも後ほど。

・ローズにイライラする

う~ん、何かよく分からないですね。
何にイライラされているのか不明ですが、実は私もこのローズ役のケイト・ウィンスレットが気になっていました。

というのはちょっと失礼かもしれないですが、確かにウィンスレットは美人ではあるのですが、少し太りすぎなんですね。
こういった悲恋にあの体形はどうもミスマッチのように感じ、それが心残りでしたね。

これらが巷での口コミ悪評でしたが、実は先に少し触れましたが私は全く別の意味でこの『タイタニック』に違和感を持っていました。
それがこの『タイタニック』が大作の一方で愚作と評価される真の原因ではないかと思っています。
次の後編でその核心に迫ります。

『タイタニック』実話を映画化!超大作だが秀作か愚作かを検証ー後編につづく

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