トクメイ5話の評価 目次
- 『トクメイ』5話あらすじ
- 『トクメイ』は何を「売り」にしているのか?
- 中途半端な日下部管理官の登場
- ドラマの核心
─────────────────────────────── - 2話:一円・環奈と沢村の掛け合いが最高に面白い!
- 3話:賛否両論だがコメディとして観れば最高に面白い!
- 4話:視聴率低迷!悪評の原因を徹底検証!目線を変えれば面白い?!
11月13日に放送された『トクメイ』5話は、中途半端で『二兎を追うものは一兎も得ず』になっているような気がするなぁ!日下部管理官(浅利陽介)の登場はこのドラマには余計だったように思う。
『トクメイ!』も中盤に差し掛かりましたが、5話ではこのドラマ始まってから初めてキャッチフレーズ通り、『経費から事件解決の糸口を見つける』展開になりました。
1話~4話までは事件というほどの事件もなく、その事件にしても経費との接点は見受けられなかったのですが、この5話では初めて経費の流れに環奈が気づいて事件解決に導くといった展開になったわけです。
本来であれば、これでやっと狙い通りのドラマになったと評価したいところですが、何かどうもしっくりこないんですね!
そのあたりのところを深掘りしてみたいと思います。
『トクメイ』5話のあらすじとしては、ハッキングによって万町署の機密データが抜き取られ、犯人はその機密データと引き換えに5億円を要求という事件が発生します。
この事件解決に警視庁から日下部管理官(浅利陽介)がやって来るわけですが、この日下部はキャリア組で出世欲が強くてずる賢く、以前円は日下部に嵌められたいきさつがありました。
そんな日下部は万町でも経費を湯水のように使い、好き放題で且つ円や湯川たちを陥れようとしますが、円と湯川たちは日下部の指示を無視して独自の捜査によって事件を解決し、日下部の鼻を明かすというストーリーです。
ここではストーリーをご紹介することが本来ではありませんので、かなり端折っておおまかな本筋だけをお伝えしました。
詳しいストーリーを知りたい方は公式サイトをご覧いただければと思います。
日本のテレビドラマの『トクメイ』と、あの超大作である映画『タイタニック』を比較するのもどうかとは思いますが、実は両作品には共通項があり、その共通項とはドラマ・映画の訴求点が分散してしまっていると思うからです。
私も『タイタニック』は観たのですが、大作でよくできた映画ではあったのですが、全体を通して引っ掛かるものを感じていました。
その引っ掛かりとはこの映画がいったい何を訴求したいのかがよく分からなかったからで、この『トクメイ』でも同じようなことを感じました。
映画『タイタニック』の評価をご覧になりたい方はこちらからどうぞ
この5話では憎たらしいキャリア官僚の日下部管理官(浅利陽介)が登場します。これはよくあるパターンですね。
更に一円は昔その日下部管理官に嵌められて煮え湯を飲まされた過去もあるという曰くつきの設定でドラマを盛り上げています。
そして一円はそんな管理官に嫌がらせ的な理不尽な命令を受けますが、それに業を煮やした湯川が「あんたの命令には従えねえ!勝手に捜査する」と啖呵を切ります。
それに対し毒づく日下部を無視して湯川とその部下は独自で捜査を進めていく中、一円が署内のある警察官の経費の流れに不審を抱いて調査したその結果、見事犯人を割り出して日下部管理官の鼻を明かすという、言わば刑事ドラマの定番のストーリーで、これはこれで決して悪くはありません。
悪くはないのですが、少し違う気がするんです。
それを一言で語ると何もかもが中途半端で、本来あるはずの骨格が欠落しているように思うんですね。
これを木で例えると、本来樹木とは根があり、幹があってその幹から枝が張り出し、その先に葉っぱがあります。これが立派な樹木です。
しかしこの『トクメイ』5話は幹が無くて、根から上はいきなり枝が張り出しているようなもので、幹が無いために細い枝は葉っぱの重みでだらんと垂れ下がったしまりのない樹木のような感じです。
この意味がおわかりでしょうか。
先ほど日下部管理官の登場は悪くはないと言いました。
悪くはないのですが、早い話あれだけでは物足りないんですね。
出すならレギュラーにすべきで、毎回嫌がらせを仕掛けてくることで憎悪を掻き立てるようにしてこそ、彼に打ち勝った時に爽快感が生まれます。
しかしたった1回登場するだけではパンチ力に欠け、それが中途半端に感じる原因ではないかと思います。
毎回登場することで幹が形成されてその先の枝や葉っぱが生きてくることになるのではないでしょうか。
それだけではありません。
この『トクメイ』の核である湯川刑事の存在感が希薄で、5話ではせいぜい日下部管理官に啖呵を切ったシーンぐらいで、他に目立って活躍したシーンがありませんでした。それも物足りない中の一つで、湯川刑事が事件解決に大きく関与するような動きが欲しかったですね。
そしてこれが最も肝心なところで、一円が経費を辿って事件を解決に至るプロセスがあまりにもあっさりしていたことでした。
私が思うのは、この『トクメイ』は一円が経費を介して事件を解決するというのが目玉のはずで、そのことからもこの部分を最も強調すべきだと思います。
以上を整理すると、ドラマを盛り上げようとする意図は十分分かりますが、色々な要素を中途半端に織り交ぜてしまったためにドラマの核心がぼやけてしまったように感じています。
結論として、日下部管理官の登場は余計ではなかったのかとも思っています。
もし出すのであればレギュラーか、もしくは最低でも2~3話連続で登場させるべきで、あれでは中途半端でもったいない気がします。
それよりもこのドラマは経費を謳い文句にしているのですから、その経費と事件とをもっと深く絡める設定が必用で、そのためには日下部管理官などを登場させるのではなく、一円と湯川刑事が一緒になって経費絡みの事件を紐解いていくようなストーリーが好ましいのではないかと思ったわけです。
今回はちょっと理屈っぽくなってしまいましたが、こんなことを感じるのは私だけでしょうか。
とにもかくにもこの『トクメイ』も早や5話まで進行し、約半分が経過したことになりますが、残り半分でどのような展開になるのかを期待したいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
コメント